COLUMN コラム
【ランニングコスト比較】高断熱の分譲住宅(断熱等級5)に住むと光熱費はどう変わる?
電気代やガス代などのエネルギー価格の高騰が続く昨今。
マイホーム探しにおいて「毎月の光熱費をどれだけ抑えられるか」は、家計を守るための重要なチェックポイントになっています。
最近では、分譲住宅(建売住宅)でも「断熱等性能等級5」といった高い断熱性能をアピールする物件が増えてきました。しかし、「断熱性能が高いと、実際のところ光熱費はどれくらい安くなるの?」と疑問に思う方も多いはずです。
今回は、住宅のプロの視点から、一般的な住宅と高断熱の分譲住宅(断熱等級5以上)のランニングコストの差について詳しく解説します。
そもそも「断熱等級」とは?今は「等級5以上」がマスト!
少し前まで、日本の住宅の断熱性能は「等級4」が最高等級とされており、「等級4を取得していれば安心」と言われていました。
しかし、世界的な基準で見ると日本の等級4は決してレベルが高いとは言えず、プロの視点からすると「冬場に寒さを感じやすい家」になってしまうのが実情です。
そのため、近年ではさらに上の等級である「等級5・6・7」が新設されました。
これから長く住む家を購入するのであれば、快適性と省エネ性を確保するために「最低でも断熱等級5」を満たしている物件を選ぶことを強くおすすめします。
年間で約6万〜10万円の差!35年で考えると数百万円の違いに
では、実際に高断熱の家に住むと、光熱費はどのくらい変わるのでしょうか。
もちろん、家族構成やライフスタイル、その年の気候によって変動しますが、一般的な断熱性能(等級4程度)の住宅と、断熱等級5以上の高断熱住宅(例えば、断熱材で家全体をすっぽり包み込む工法などを採用した家)を比較した場合、年間で約6万円〜10万円ほどの光熱費の差が生まれるという統計データがあります。
「年間で数万円の差なら、そこまで気にしなくても…」と思うかもしれません。しかし、住宅ローンを組んで35年間住み続けると想定して計算してみてください。
年間7万円の差 × 35年 = 245万円
年間10万円の差 × 35年 = 350万円
このように、長い目で見ると光熱費だけで200万円〜350万円以上もの差になるのです。
さらに太陽光パネルなどを搭載し、より省エネ性を高めれば、年間で10万〜15万円ほどの差が開くケースもあります。
住宅購入は「初期費用」だけでなく「総住居費」で考える
分譲住宅を探す際、どうしても目先の「販売価格(初期費用)」だけで物件を比較してしまいがちです。 確かに、高断熱仕様にこだわって作られた分譲住宅は、一般的な分譲住宅に比べて購入価格が少し高くなる傾向にあります。
しかし、家にかかるお金は「住宅ローン」だけではありません。毎月必ず支払う「光熱費」も大きな支出です。
A物件(一般的な分譲): 購入価格は安いが、毎月の光熱費が高い
B物件(高断熱の分譲): 購入価格は少し高いが、毎月の光熱費が安い
購入価格(住宅ローン)と光熱費(ランニングコスト)を合わせた「総住居費」でシミュレーションしてみると、実はB物件の方が毎月の家計負担が軽く、長期的に見てもお得になるケースが非常に多いのです。
光熱費だけじゃない!「健康」というお金に換えられない価値
高断熱住宅のメリットは、ランニングコストの削減だけにとどまりません。 家全体が魔法瓶のように保温されるため、リビングと廊下、お風呂場などの「部屋間の温度差」や、足元と天井付近の「上下の温度差」が少なくなります。
冬場に起きやすい「ヒートショック(急激な温度変化による健康被害)」のリスクを大幅に軽減できるほか、アレルギーや喘息の症状が出にくくなるといった健康面でのメリットも報告されています。
ご家族が健康で快適に長く暮らせることは、何百万円というお金以上の価値があると言えるでしょう。
<まとめ> 分譲住宅選びは「見えない性能」のチェックを忘れずに
「マイホームを購入したせいで、光熱費が高くて旅行や趣味を我慢しなければならない…」となってしまっては、本末転倒です。
分譲住宅を選ぶ際は、間取りやデザイン、駅からの距離だけでなく、「断熱等級はいくつか?」「しっかりとした断熱施工がされているか?」といった見えない性能にも目を向けてみてください。
初期費用とランニングコストのバランスを賢く見極めることが、豊かなマイホームライフへの第一歩です。

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