COLUMN コラム
写真では伝わらない、現地で感じる「本当の開放感」の正体とは?
ネットやチラシでマイホーム探しをしていると、「LDK 20帖の大空間!」「開放的なリビング!」といった魅力的なキャッチコピーや、広々とした広角レンズの写真が目に飛び込んできます。 「これなら良さそう」と思って実際に現地を訪れると、なんだか想像していた広さと違ったり、逆に数字(帖数)以上にものすごく広く感じたりした経験はありませんか?
写真は2D(平面)ですが、私たちが暮らすのは3D(立体)の空間です。そして、人が感じる「開放感」や「居心地の良さ」は、視覚だけでなく、五感すべてを使って受け取るものです。
今回は、写真や図面だけではどうしても100%伝えることができない、設計士が計算し尽くした「現地で感じる本物の開放感」の正体について、建築的な工夫を交えて紐解きます。
1. 視線が「どこに抜けるか」を計算する(窓と壁のミリ単位の設計)
単に大きな窓をたくさんつければ開放的な家になる、というわけではありません。もし窓のすぐ向こうが「隣家の壁」や「道路を歩く人からの視線」だったらどうでしょうか。結局は外からの目が気になり、一日中カーテンを閉めっぱなしにすることになり、開放感はゼロになってしまいます。
プロの設計士が考えるのは、窓の大きさではなく「視線の抜け先」と「プライバシーの確保」の絶妙なバランスです。
例えば、まわりの目を気にせずに過ごせる「2階リビング」を採用する場合、ソファに座ったときの目線の高さをミリ単位で計算します。
バルコニーの手すり(壁)の高さを、一般的な建売住宅よりもあえて30〜40cmほど高く設計することで、ソファに座った瞬間に周囲の電線や隣の家が視界から消え、切り取られた「青空だけ」が窓いっぱいに広がる空間をつくり出します。
この「座ってみて、初めて視線が空へと抜ける心地よさ」は、立って撮影する写真や全体の間取り図からでは気づきにくい、現地を訪れた人だけが味わえる贅沢な開放感の正体です。
2. 天井の「高さの緩急」とハイドアがもたらす立体的な広がり
空間の広がりを感じさせるもう一つのアプローチは、天井や建具(室内ドア)に施す「メリハリ(緩急)」です。
家全体、あるいはリビング全体の天井をただ一律に高くする(たとえば大きな吹き抜けにする)のも開放的ですが、それだけだと逆に「どこか落ち着かない場所」になってしまうことがあります。
そこで、たとえばダイニングテーブルの上はあえて一般的な高さの「平天井(2.4m)」にして照明を近づけ、食卓が優しく包まれるような落ち着いた明るさを演出します。その一方で、リビングエリアへと進むと一気に屋根の形を活かした「勾配天井」へと視線が上に抜けるように設計します。
この「あえて低めにつくった空間」から「高い天井の空間」へと移動するときの高低差のメリハリこそが、現地に立ったときに実数値(帖数)以上の劇的な広がりを感じさせる視覚的テクニックです。
さらに、室内のドアをすべて天井まで届く「ハイドア」にすることで、ドアを開けたときの上部の壁(垂れ壁)がなくなり、視線が隣の部屋や廊下までスッと遮られることなく抜けていきます。
部屋と部屋が立体的につながり、すっきりとした圧倒的な開放感が生まれます。
3. 体が無意識に感じる「空気と温度のストレスのなさ」
実は、開放感において最も写真で伝わらないのが「温熱環境と空気の質」です。
どれほどリビングが広く、天井が高くても、「足元だけがスースー冷える」「エアコンの効いている場所から一歩廊下や洗面所に出ると冷気が押し寄せる」といった温度差がある家は、体にとっては「狭く、閉じられた」ストレスフルな空間に感じられてしまいます。
高い気密・断熱性能(レモンホームでは施工平均C値0.3、断熱等性能等級5以上を徹底)を備えた住まいは、家全体を高性能な断熱材で魔法瓶のようにすっぽりと包み込んでいます。
吹き抜けや高い勾配天井がある大空間であっても、部屋間の温度差だけでなく、足元から天井付近までの「上下の温度差」も約3℃以内に収まります。
さらに、熱ロスを抑えて常に澄んだ空気を巡らせる全熱交換型換気システム(エコエアなど)を回すことで、室内の空気が常にすっきりと淀みなく保たれます。
この「家の中に一歩足を踏み入れた瞬間に感じる、温度と空気のストレスが一切ない心地よさ」こそが、現地に立った人が深呼吸をしながら感じる、目に見えない究極の開放感なのです。
写真や図面、VR内見は家づくりのイメージを膨らませるのにとても便利です。
しかし、窓から差し込む美しい光の移り変わり、風の通り抜ける気配、ソファに深く腰掛けたときの視線の心地よい抜け感、そして五感で感じる澄んだ空気の快適さは、どうしても画面の向こうにお届けできません。
だからこそ、家づくりを考え始めたら、ぜひ現地へ足を運んでみてください。
一棟一棟、その土地の光や風を計算して丁寧につくられた空間に身を置き、心から「あぁ、心地いいな」と感じる本物の開放感を、ぜひご自身の五感で体験してみてくださいね。
この「温度差のない快適さ」や「澄んだ空気感」を、お昼の見学だけでなく、夕方から翌朝の冷え込みまでじっくりご家族だけで暮らすように体験してみたいと思いませんか?
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