COLUMN コラム
当社が測定する、高気密住宅に必須の「C値」とは?
こんにちは、レモンホームです。
先月こちらのコーナーで、当社が建てる一棟一棟の高気密高断熱住宅で実施している「気密測定」についてお話をさせていただきました。
その数値は「C値」という言葉で表されますが、今回はこの「C値」について少し解説させていただきます。
C値とは、住宅における相当隙間面積のことです。建物全体にある隙間面積(㎠)を延床面積(㎡)で割った数値で、建築した建物の気密性能を表す指標として用いられています。
例えば、延床面積40坪(約132㎡)の場合、C値が2.0なら隙間面積は264㎠(はがき約1.8枚相当)、C値が0.5なら隙間面積は66㎠(はがき約0.5枚相当)です。
このC値は、住宅の気密性能を表す指標として省エネ法で用いられていましたが、実は2009年(平成21年)に改訂された際に、気密住宅の規定と数値基準は削除されました。
また、2013年に省エネルギー基準が改訂されて以降は、建物と設備機能を一体化して建物の「一次エネルギー消費量」を評価する指標が使われるようになり、気密性のC値よりも断熱性のUA値が重要視されるようになりました。
家づくりを考えたときに、安心安全で快適な住環境を手に入れたいと皆さんが考え、いろいろな比較をすると思います。
その中で「UA値」や「ZEH」などの数値基準の言葉が出てきますが、「C値」については、各建築会社によって、「意味がある・意味がない」など見解に違いがあります。
先にご説明した「国の基準にない」ことから、地域の工務店やハウスメーカーでは、C値に対する考え方や取組に大きなばらつきがあるのです。
平成14年までは、寒冷地でC値2.0㎠/㎡、その他の地域でC値5㎠/㎡という基準が存在しました。ところが、「施工前に数値が確認できない」や「施工後の検査にコストがかかる」などの理由から途中で削除されてしまいました。
国が基準を設けていないために、このように「C値は意味がない、必要ない」といった声が上がりますが、これから、注文住宅を計画される上で、この「C値」はとても重要な性能数値です。
★C値は、省エネルギーで部屋の温度を快適にする基準
気密性が低いと冬は暖房をつけていても温かい空気が屋根から外に漏れ、漏れた分冷たい空気が家に流れ込み、足元が冷え不快感はさらに増していきます。夏は蒸し暑い外気が入り、エアコンをフルパワーで使用することになり、電気代に影響します。
家の床の温度が低い理由の一つが「家の隙間」です。
隙間の少ない家は、温めた空気が抜けにくく、床に冷たい冷気が侵入しないので、気密性の向上は床の断熱対策にも効果があります。
そのため、マイホームの快適性を考えると、家の隙間は可能な限り少なくすることが必要です。
それを測るためのモノサシが「C値」なのです。
「C値」が重要である理由は、そのほかにも様々な点が挙げられています。
次回も「C値」について解説したいと思います。