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低炭素住宅とは?認定基準やメリット・デメリットについて詳しく解説
「省エネ基準適合住宅」や「ZEH水準省エネ住宅」、「低炭素住宅」、「認定長期優良住宅」など、マイホームを手に入れようと思った際、必ずと言ってよいほど目に入る住宅関連のワード。
一定の要件を満たした住宅を購入することで税制優遇措置が受けられるのですが、「たくさんありすぎてよく分からない…」という方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんななかから「低炭素住宅」にフォーカスして、認定基準やメリット・デメリットについて解説したいと思います。
●低炭素住宅とは?
低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出を抑えるための対策を取った、環境に優しい住宅のことを指します。
都市部では、社会経済活動によって多くの二酸化炭素が排出されており、低炭素化に向けた取り組みをいち早く進めることが重要な課題となっています。
そのため、都市における低炭素化を促進し、持続可能な社会の実現を目指すことを目的として、「都市の低炭素化の促進に関する法律」(エコまち法)が平成24年12月に施行されました。
この「エコまち法」に基づいてスタートした制度が「低炭素建築物認定制度」です。
都道府県または市(区)から低炭素住宅と認定されることで、さまざまな優遇措置を受けることができます。
なお、認定を受けるためには、下記表の基準を満たす必要があります。
※1 省エネ量と再生可能エネルギー利用設備で得られる創エネ量の合計が基準一次エネルギー消費量の50%以上であること。
※2 いずれかの措置を講ずる…節水対策/エネルギーマネジメント/ヒートアイランド対策/建築物(躯体)の低炭素化/V2H充放電設備の設置。詳細はスタッフにお尋ねください。
※3 標準的な建築物と比べて低炭素化に資する建築物として所管行政庁が認めるもの(例 CASBEE等)
※4 都市の低炭素化の促進に関する法律第7条に規定されている区域で、市街化区域(区域区分に関する都市計画が定められていない場合は、用途地域が定められている区域)になります。また、上記以外の区域での申請はできません。
●住宅ローン減税が有利に!
住宅ローン減税は、「住宅ローンの年末残高×0.7%」を所得税等から控除する制度です。住宅の省エネ性能によって、住宅ローン減税が適用される借入限度額が異なります。
2024年6月時点で、低炭素住宅の借入限度額は子育て世帯・若者世帯で5,000万円、その他の世帯で4,500万円ですが、一般住宅は住宅ローン減税の対象外となります。
なお、低炭素住宅であれば、2025年入居以降も引き続き控除を受けることが可能ですが、借入限度額は4,500万円に変更となる予定です。
●低炭素住宅のデメリット
メリットだらけのようにも思える低炭素住宅ですが、デメリットもあります。あらかじめ把握しておいていただけると安心です。
1.建築コストが高くなってしまう
低炭素住宅は、認定基準を満たすための省エネ設備を導入する必要があるため、その分の費用が一般住宅よりも高くなってしまいます。
税制優遇や住宅ローン金利の引き下げ、補助金により、どの程度コストが下げられるのか、具体的に試算しておくことをおすすめします。
2.対応エリアが限られる
低炭素住宅の対象となるのは、原則として市街化区域内に建築される住宅のみです。
建築予定の土地が市街化区域内であるか、都市計画図などから確認しておきましょう。
●まとめ
低炭素住宅は断熱性にも優れているため、1年中快適な環境で生活できるのが魅力です。
税制優遇や住宅ローン金利の引き下げ、光熱費の削減など金銭面のメリットも期待できますが、設備導入にどれくらい費用がかかるかは、しっかりと試算しておく必要があるでしょう。
税制面での優遇や各制度に詳しいスタッフが丁寧に対応いたしますので、お困りの際はぜひお気軽にご相談ください。