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レモンホームの家づくりコラム

話題の「ZEH」は、いったい何がお得なのか?

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こんにちは、レモンホームです。


今月より、レモンホームの専任ファイナンシャルプランナーが不動産、マイホーム建築、保険や資産運用、生活インフラなどお客様の様々なライフプランに関するお話をさせていただきます。


本日は第1回目として、

「ZEH住宅と住宅性能をめぐる時代の変化」について解説いただきました。

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ZEH(ゼッチ)という言葉、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

「住宅の性能水準」を表す言葉ですが、なぜZEHが注目を集めているのでしょうか。【ZEH住宅とは】

ZEHとは、net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語で、「エネルギー収支をゼロ以下にする家」という意味になります。

要は、「エネルギー効率の良い家・高性能の家」とイメージいただいて構いません。

光熱費が掛からないわけではないのですが、住宅が創出するエネルギーで概ね消費するエネルギーをカバーできる、そんな住宅をZEH住宅と呼びます。

経済産業省では、「外皮の高断熱や高効率な省エネルギー設備の導入によって大幅な省エネルギーを実現し、再生可能エネルギーを活用することで年間の消費エネルギーをゼロにする目的で建てられた住宅」と定義されています。


【ZEH住宅が注目される理由】

ZEH住宅が注目される理由はいくつかありますが、国の視点と生活者の視点、そして両サイドからの視点を見ていきたいと思います。

まずは国の視点ですが、「環境問題への取り組み」が挙げられます。

環境省のHPによると、日本の年間のCO2排出量に占める住まい(家庭部門)の割合は約16%となっています。この排出量の削減を目指し、冷暖房や照明等々、様々な分野で省エネルギーを図っています。

そして、この住まい(家庭部門)の排出量削減という目標を達成するためのキーアイテムが「ZEH住宅」なのです。

※環境省「地球に、家族に、家計にやさしい省エネ住宅」

https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/kaikae/housing/


一方、生活者の視点としては「さまざまな経済効果」が挙げられます。

ZEH住宅自体がエネルギー効率の良い家なので、日常の光熱費の削減はもちろんのこと、税金面では一般的には住宅ローン控除と呼ばれる税額控除の適用範囲が拡大します。

また固定資産税も一定期間減少してくれます。双方、納税資金の減少に直結します。

特に前者は控除を最大値で活用できているかどうか、という点はあるものの、期間も長く効果の期待値は高いといえると思います。

加えて、もし売却となった場合でも、資産価値の値崩れがしにくくなるでしょう。

後述いたしますが、住宅の基準が今後変更されるため、「ZEH住宅かどうか」は重要なファクターになると考えられています。

最後に国と生活者共通のメリットとして「メディカルコストの削減」が挙げられます。実は住宅の性能いかんで、疾病の発生リスクが変わることが確認されているのです。

病気になると、生活者の視点では収入の減少と費用の上昇があり、疾病の状況次第ではその後の人生に大きく影響を及ぼしてしまう可能性も否定できません。

国の視点でも生活者の視点と同じです。病気に罹患する人が多くなってしまうと、税収にも影響が出ますし、社会保障費(医療費)の上昇にも直結してしまいます。


【住宅をめぐる疾病の実情】

住宅をめぐる疾病の実情を一つ取り上げると「ヒートショック」が挙げられます。

ヒートショックとは、家の中で温かいところと寒いところを行き来するときに生じる血圧の急激な変化に対して起こる健康被害のことを言います。

実は日本は、このヒートショックによる死者数が世界一多く、年間約17,000人が亡くなられていると言われています。

中でも危険な場所が「浴室」。

データによると、高齢者の家および居住施設の浴槽における死亡者数は、令和元年の調べで1年に4,900人以上。浴槽での事故は特に空気が冷え込んでくる11月から増え始め、1月にピークを迎えます。

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▲家および居住施設の浴槽における死亡者数(令和元年)のグラフ

同年の年間の交通事故死者数が3,215件であることを考えると、ヒートショックによる死者数の割合の多さを感じていただけるのではないでしょうか。


【住宅性能をとりまく歴史背景と努力目標】

では、なぜ日本では多くの方がヒートショックのリスクに曝されているのでしょうか。

実は長らく日本では住宅の性能について基準がありませんでした。

戦後の復興期を経て高度経済成長期に入っていく中で、日本の総人口は増加。多くの住宅需要に応えるため、「性能」は二の次となってしまったのです。

その後、様々な法律が制定されはしましたが、断熱性能などは諸外国と比較すると厳しい基準点が設けられているとは言えない状況でした。

加えて、その基準も守らないといけない「義務」ではなく、いわゆるただの「努力目標」。結果的に、「夏は暑くて冬は寒い」という住宅が大量に供給され、残念ながら、「夢のマイホームが健康被害を招く」という状況が続いてしまったのです。


【これからの住宅性能について】

そんな状況を鑑み、日本でもついに、住宅の性能をめぐる基準が大きく変わることが決まりました。今まで「努力目標」とされてきた基準が「義務」となります。

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これは大きな変更で、実は2022年3月まで用いられていた基準の「最高水準」が、2025年4月以降は守らなければならない「最低基準」となり、2030年にはさらに基準点が引き上げられ、今のZEH基準が守らなければならない「最低基準」となります。

時代の変化に応じて、住宅の性能も変わることとなりました。

今後は現時点のZEH水準が基準になり、省エネ水準がますます求められることとなるでしょう。

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